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様々な企業戦略2

panasonicの対ウォークマン戦略

SONYは1979年、 カセットテープを携帯して聞けるウォークマンをリリース。 最初の2年間で2億台以上を売り上げた。

(注)「ウォークマン:は、ソニー創業者の盛田昭夫氏の発明ということになっていた。だが、1977年当時既にAndreas Pavelというドイツ人が、Stereobelt(ベルトに装着するステレオ)というポータブルステレオ機器に関する複数の特許を持っていて、SONYはこのPavelと和解したと報じられているが・・・。

 

遅れをとっていたライバルの松下電器panasonicが取った戦略が面白かったので触れてみたい。

 

通常、新製品を出す場合、数種類の機種を出すのは珍しくない。

例えば、

売れ筋にしたい機種、

それよりも安くて機能を少し省いた機種、

あるいは少々高くなるが、さらに付加価値がついた上位機種

こういう品揃えをするのが普通だ。

そして、売れ筋商品を中心に広告宣伝を打っていく。

 

ところが、panasonicブランドで松下が出したウォークマン対抗機は違っていた。

3つの新製品を出したが、それはまったく違った外観をした製品で、CMも別々に打っていた。

3種類をちょっと見ただけでは、まったく別会社のものに見えるのである。

これは、おそらく、松下の販売力を背景に、全く違う商品として、3倍売るつもりだったのだと思う。

 

つまり、SONYに1つのウォークマンがあって、独占状態にあるとする。

しかし、特許が切れて他社も参入してくると、独占は崩れ、圧倒的なシェアを維持するものの他社もそれなりのシェアを獲得する。

 

例えばA社が1機種出す。10%のシェアを取る。

次にB社が1機種出す。これは8%のシェアを取る。

それからC社は、6%のシェア。

D社・・・次々と参入する。

 

松下は、ABCの3社分のシェアを取ろうとしたに違いない。

松下の3機種がまったく違う会社のものとすれば、10+8+6=24%のシェアを獲得できるはずだ。

松下の販売力を持ってすれば可能だと思ったのだろうが、結果は、SONYのブランド力と他社の奮闘の前に敗れ去った。

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