イントラネット
我々のNOTESかExchangeかという選択は、あるベンダー企業を見学した際に「イントラネット」を見たことで一変する。
そのベンダー企業では、情報の共有にイントラネットを使っているという。
イントラネットには次のメリットがあった。
■ブラウザしか使用しないので、クライアント端末側のソフトインストールが不要であり、メンテナンスが楽。
■インターネット技術と親和性が良いので、将来的にも陳腐化しない。
■インターネットと連携してシームレスな作業ができる。
ベンダー企業の訪問の目的はNOTESかExchangeかという選択ということにあったのだが、
イントラネットを見た瞬間に覆され、どちらも選択せず、イントラネットを選択することになった。
・・・ここまでは良かったが、後が続かない。
システム部門が導入したのは某PCメーカーのホームページ簡易作成ミドルウェアツールである。
HTMLを書かずに、ブラウザだけでページが作れるのが、売りだった。
各支店や工場に、さあ、やれ、ページを作りなさいという号令がかかった。
ところが一向に普及しない・・・。
理由は、いくら簡単にできるミドルウェアでも、ホームページの作り手になるほどの意識が社員のどのくらいの人にあるのか、ほとんどいないに等しい。
システム部門の連中だって、HTMLが書ける人間は皆無だった。極論すれば、その頃HTMLが書けたのは、一部のオタクだけだった。もうひとつの理由は機能の乏しさだった。その掲示板程度のアプリケーションはあったが、それだけではメールで充分である。
かくして社内のユーザーは失望し、企業の情報武装は混迷を続けてゆく。
団体のインターネット
社内も一応、イントラネットを掛け声だけだが、認知した。
ここでわたしはもうひとつ別のインターネットの仕事を持つことになる。
その頃、当社の代理店組合の情報化を任されていて、
パソコン通信でファイル交換やまがりなりにも製品データベースを構築していた。
これをインターネット化しようという当時では無謀な計画を自ら立てて、自分ひとりで実行しようとしたのだ。
でも、データベースはどうしようか?
それだけがネックだった。
WEBデータベースとの出会い
WEB=見るものという意識だったので、まだわたしはパソコン通信にこだわっていた。
インターネットではデータベースなんてできないと思っていた。
ところがそのパソコン通信のサーバーを預かっていた会社から、
ブラウザでもデータベースが使えますという提案があった。
現在では当たり前になった話だが、まだインターネットが世の中に認知されて間もないころである。
その会社も実は知らなくて、ドイツの自動車メーカーの日本法人へ行って、
WEBデータベースを作れと言われて大汗を書いたらしい。
その会社の技術者がデモ用のシステムを作ってきたので、見てみた。
WEBブラウザには、データベースのデータが表示されていた。
どういう仕掛けか聞いたが、ノウハウらしく、教えてくれなかった。
わたしは、これを見てパソコン通信での代理店サービスをやめようと思った。
皮肉なことにわたしにせっかくWEBデータベースを紹介してくれたパソコン通信の業者を切ることになってしまった。
薄情な男だが、業者に頼んでいたのでは、いつまでたっても、費用を吸い取られていく。
こうしてわたしは、WEBサーバーを立ち上げるべく一からインターネットを勉強することになった。
わたしは40歳の大台に乗っていた。40歳からのインターネット入門である。
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