営業研修TIPSA

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日本型のコンサルティング企業

講師はどういうところから連れてくるか?

これも様々だが大きく2つある。

ひとつは、新卒から育てる会社と、

もうひとつはヘッドハンティングや公募でのスカウトする会社である。

新卒(法政、成城クラスの大学の経営学専攻の学生と思えばイメージしやすい)をまず研修の受注をするための営業マンとして雇用し、 その中からセンスのありそうな者をコンサルタントに昇格させ、見習いとして現役コンサルにつけて研修現場を回らせる会社がある。

コンサルタントがよく話の中で、

「わたしも皆さんと同じように”営業”をやっておりました。」

と言うのはこのことである。

彼らのいう”営業”は意味が違うのだが、研修受講者にとっては、「おっ、頭でっかちでなく、現場を知っているな。」と思わせる効果はある。

こういう会社はコンサルタントのコピーをどんどん作っていく手法をとる。コンサルタントは均質で組織的に派遣できる体制にしなければいけない。

海外輸入の理論を日本向けに再構成する部隊があり、そのシナリオをコンサルタントに徹底的に覚えさせる。

話の途中に挟むジュークまでまったく同じことが喋れるまで叩き込む。

またもうひとつのタイプのあるコンサルタント会社は社外公募を重点に行っている。

新卒の営業マンはそのままずっと営業を行い、コンサルタントはスカウトしてくる。

前職は他のコンサルタント会社であったり、まったく関係のないところでも、 個人経営者で失敗した人(注意:こんな人でもと思うかもしれないが、「失敗した要因」とか結構受けがよかったりする)、 大手企業で人事担当をやっていた人だったりするが、多いのは他のコンサルタント会社からの転職である。

コンサルタントというのは100人いれば100人の派閥ができるという職種で、大手のコンサルタント会社である程度ノウハウを蓄積し、得意客を見つけたら、 その得意客を目当てに独立してしまう人が多い。しかしながらまた2〜3年すると戻ってくる人が多いという。

理由は新たな情報が入らなくなることと新規顧客開拓が難しいことかららしい。

バブル崩壊とIT対応の遅れ

バブル崩壊から、ITバブルの再来の中で、かつての営業研修と呼ばれるものはやや廃れたのではないかと思っている。(自分が担当しなくなったからかもしれないが)

バブル時代は悪く言えば「放っておいても」売れた。でも企業は営業力強化の名の下に営業研修を実施した。費用もふんだんに使えた背景もある。

営業マンは業績の向上を自分のスキルと信じ、スタッフ部門は営業研修の成果だと思った。

ところがバブル崩壊。企業も費用を圧縮する。

バブル崩壊の裏では、情報改革は進んで行き、やがてITバブルを招くことになるのだが、 アメリカでは、ITを使った営業支援システムなども登場してきて、かなりの成果を挙げているものもある。

旧来のコンサルタント会社によってはシステムソフト会社と提携してITと絡めた営業研修メニューを出しているところもあるがあまりうまくいっていない。

もともと従来の日本のコンサルタント会社が抱えているコンサルタントは、このITについていけない人がほとんどだった。 年代的に団塊の世代かその下ぐらいでパソコンが、まず、できない。

「コンピュータが何ビット(既にビットという単位は死語だが)になろうとも、人間の暗黙知(こういう言葉はよく知っている)を超えることはできない。」と嘯く。

例えば営業戦略上注力する品目を絞ろうということをやるのに通常はABC分析(ジョルジュ・パレート図)という手法を使う。

「それではうちの会社のABC分析をやりましょう、手伝ってください。」と企業の担当者から言われて、 具体的に数字を持ってこられると彼ら旧型コンサルタントは困ってしまうのだ。

販売実績からABCチャートを作成するスキルそのものがない。 そこで彼らはこう言う。

「定量的な情報の販売実績を扱うことも大事ですが、まず自分の頭にある定性的な情報で戦略を考えることがより重要です。」

わたしも以前はこの説明で納得していた。

しかしよく考えると、これはデータを見ないで直感で戦略を練ることを言っていて、 優秀な営業マンならすでにそんなことはやっているはずである。

かくして旧態依然とした、日本のコンサルタント会社はITで武装したボストンコンサルティングアンダーセン・アクセンチュアアビーム(旧デロイトトーマツ)に駆逐されていくのである。

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